よく不動産投資をされている方ですと表面利回りが〇〇%以上で物件を探すという関係上、太陽光についても同様の見方をされるケースがよくあるようです。
しかし、不動産と太陽光では大きく異なる点があります。
まず、不動産の場合は表面利回りを見る場合には、通常満室時の現在の賃料相場等を基に表面利回りを計算するため、空室が生じた場合には実質利回りは下がります。別途経費等がかかるために実質の利回りが下がるという点は太陽光も同じです。通常、その後家賃収入が上昇することはあまりありませんので、不動産投資では基本的には実質利回りは常に表面利回りを下回ります。
それに対して、太陽光の場合には、太陽光の発電量のシミュレーションによる発電量を用いて表面利回りを計算しますが、金融機関の融資担当の方々や弊社が利用している資源エネルギー庁の太陽光発電量シミュレーターは公のものであるためはじき出される想定利回りの数字は固めにでています。
このため、実際の売電収入が想定収入より1割、2割上振れすることも珍しくないため、経費分を差し引いても当初計算した表面利回りと実質利回りが同じぐらいか場合によると上振れするケースもあるかと思います。
不動産投資での経験からご自身の投資ルールとして決めた表面利回りに達しないために太陽光の事業を諦める方もいらっしゃるかと思いますが、このような太陽光に独特の事情も合わせて検討されるとよろしいかと思います。
なお、太陽光へのアドバイスをしていると、多くの太陽光の業者が自社計算として、資源エネルギー庁の太陽光発電量シミュレーターより盛った想定売電収入の数値を見かけます。
しかし、お金のプロである金融機関の融資のご担当者と話をすると、利回りやキャッシュフローの計算上は資源エネルギー庁の太陽光発電量シミュレーターに入れ直して数値を再計算しており、太陽光の業者の自社計算の想定売電収入は融資の査定上はほとんど関係ないとおっしゃっていますので、この点はご注意ください。
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想定発電量は資源エネルギー庁の発電量シミュレーターで確認を!!